無農薬栽培へのこだわり

私たちが一般的にいう「農薬」とは、農作物を保護する薬剤のことを意味します。

もともと農薬は野菜や果物を栽培する土壌を消毒したり、種子の消毒や発芽から実がなるまでに病気や害虫から被害を受けないように予防するために使用されていました。

画像:アグリジャーナルより

その後いつのまにか病害虫に限らず「農作物に被害を及ぼす病害虫、線虫、ネズミ、モグラ、雑草など」を防除あるいは制御して作物を保護したり、成長を調整して「農業の生産性を高めるために使用する薬剤」を意味するようになりました。

法律的には以下の農薬取締法によって使用目的や定義が厳密に規定されています。

農薬取締法抜粋

(目的)

第一条 この法律は、農薬について登録の制度を設け、販売及び使用等の規制等を行うことにより、農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保を図り、もってもう行政さんの安定と国民の健康の保護に資するとともに、国民の生活環境の保全に寄与することを目的とする。

(定義)

第一条の二 この法律において「農薬」とは、農作物(樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。)を害する菌、線虫、ダニ、昆虫、ねずみ、その他の動植物又はウィルス(以下、「病害虫」と総称する。)の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、その他の薬剤(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。)及び農作物の生理機能の増進又は制御に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤、その他の薬剤をいう。

2 前項の防除のために利用される天敵は、この法律の適用については、これを農薬とみなす。

一般社団法人日本植物防疫協会「農薬と食の安全・信頼」より

農薬は本当にダメなのか?

画像:農林水産省ホームページより

今から50年近く前まで使用されていた農薬は、人が吸い込んだり誤って飲んでしまったときに発症する毒性が極めて強く、最悪の場合死に至ることもあったのは事実です。

でも今現在、このような中毒性のある農薬はすべて禁止され、私たちに対して安全性があると認められた農薬に置き換わっています。

農薬は使用することによって、水や土や空気中に放出されてしまうので、人や野生動物、環境にあたえる影響を詳しく調べることが国によって義務付けられています。

新聞やテレビなどで報道される「農薬イコール体に悪い」というメッセージは、「有機野菜」や「オーガニック食材」と一緒で視聴者ウケする(視聴率が取れそう?)な気がしないでもありません。

私個人の意見としては「農薬は悪」ではありませんし、使用することによるメリットはデメリットより多いと思っています。

農家にとっての農薬を使用するメリット

とにかくラクができるの一言です。

  • 殺菌剤を使えば作物が病気にならずにすむ
  • 除草剤をまけば雑草抜きの無限ループからのがれられる
  • 収穫時の収量(大きさや量)が安定する
  • 連作障害に悩まされずにすむ
  • などなど

私の農園では「除草剤」を一切使わずすべて手作業で雑草を処理しています。ひと畝ずつ雑草抜きをして最後の畝が終わるころには最初の畝から新しい雑草が生えているという無限ループです。

地中には色んな種類の雑草の種があって、常に順番待ちの状態だそうです。抜いても抜いても次から次へとです。

だから多くの農家さんは除草剤を散布します。その気持ちは痛いほどわかります。

抜いても抜いても雑草が生えてくる力強い農園の雑草たち(泣)

昔から農業をされている先輩の多くは

「国が認可した農薬だから大丈夫やで」

「雨が降ったら土壌から流れてしまうから問題ないよ」

「この時期に散布しておけば収穫には残留してないって」

って、声をそろえておっしゃいます。

100%安全なもんの方がええやん

国やJAさんや農薬メーカー曰く

「人体に影響がないことはデータで証明されています」

農薬の試験時には、農家さんが薄めて使用する使用料の数百倍から数千倍の高濃度(人や動物に影響を与える恐れのある量)でおこないます。

「野菜や果物に害をおよぼす病害虫や害獣が予防できる農薬が私たちのカラダに悪影響はない」という公的なアナウンスは、生産者目線ではラクができるからOKです。

でも私も生産者であるとともに消費者でもあります。自分自身が良くても子供や大切な人へはゼロリスクではないものは極力避けたいのが正直なところです。

私たちが病気をしたときお医者さんから処方される薬(漢方以外の化学的なクスリ)も高濃度なものや長期間服用すると、きっと人体に悪影響を及ぼしてしまうのと同じで「農薬も散布量は希釈していても蓄積すれば?」と心配するのは当然でしょう。

大切な誰かのために100%安全だといえるものをお届けしたい。

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