にんにくの驚異的なパワーの秘密はアリシンという物質

にんにくは中国では「大蒜(たいきん)」とよばれ、古くから体を温める温薬として漢方や食事療法などに用いられてきました。

 

日本へは大陸を経由して伝来し、民間療法に取り入れられてからは、滋養強壮、健胃、去痰、利尿、冷え性、殺菌、駆虫、鎮静など幅広く利用されてきました。

 

にんにくは玉ねぎやニラの仲間

 

イスラム教にある神話では、人間の堕落を見届けエデンの園を去った悪魔の左の足跡にニンニクが、左の足跡にタマネギが生えたと伝えられています。

 

これらの言い伝えからも分かるように、ニンニクはタマネギやネギ、ニラなどと近縁関係なのです。

 

ニンニクはユリ科に属する多年草で、原産地は中央アジアといわれ、夏に結実する鱗茎部は俗に「にんにく」とよばれる強い辛味と独特の臭味をもった可食部からなっています。

 

同じユリ科のネギやニラも風邪などの解熱効果が昔から知られており、成分的にも似通った内容なのですが、効果効能となるとニンニクとそれ以外では天と地ほどの差があります。

 

にんにくのアリイナーゼとアリシン

 

にんにくの効果効能の秘密は、鱗茎の中に含まれるアリシンという物質にあります。

 

1940年スイスのストール博士によって、にんにくの中から有効成分アリシンの母体であるアリインの存在がわかり、このアリインというアミノ酸が傷つけられたり、潰されたりすると被膜部の酵素であるアリイナーゼからの分解作用がはじまり、アリインの部分がアリシンに変化することが判明しました。

 

また傷つけられたアリインが分解し始めると、ニオイの源といわれる揮発性の高い物質の霧散とともに硫化アリル類をふくんだタンパク質が生成されます。

 

ニンニクといえば反射的にニオイを思い浮かべてしまいますが、ニンニク特有のニオイは潰されたりしてアリイナーゼの分解を受けてからはじめて霧散されます。したがってニンニク畑からニオイがたちこめることはありません。

 

私たちの体内でよみがえるアリシン

ニンニクを傷つけた状態で、またはスライスやおろし金でおろした状態で放置しておくと、ニオイが悪臭に変わるだけでなく、有効成分の分解もすすみ薬としての効果も落ちてしまいます。

 

ニンニクの効果は、煮る、蒸す、揚げるなどの熱処理を加えることでアリシンの効能をそのまま封じ込めることができます。その際、酵素アリイナーゼの機能は加熱により一時消失してしまいます。その後ニンニクは体内に入ってから腸内で酵素アリイナーゼと同様な分解作用をうけて、活性のある有効成分アリシンによみがえるわけです。

 

このように、ニンニクは熱に強い性質があります。これに対し生ニンニクの効き方はストレートで即効的です。熱処理したニンニクの効き目はその経過過程分だけ遅れますが、効果においては生も熱加工したものも変わりません。

 

この仕組みを応用したのが保存食で、ニンニク油、ニンニク酒、ハチミツ漬けなどは熱処理を加えニオイを抑えたのち保存用に加工したものになります。

 

ビタミンB1と結びつくニンニクのアリシン

ニンニクの有効成分ありしんの大きな特徴は、体内で他の物質と出会いうと生化学反応をおこして活発な働きをはじめることです。

 

熱処理されたニンニクは、体内でビタミンB6と反応してアリシンとして活性化します。次にアリシンはビタミンB1と結びついて酵素機能を備えたアリチアミンに変質、アリチアミンは細胞の活動に必要な酵素うぃ供給しながら、代謝作用を活性化するわけです。その働きぶりは極めて持続的でたくさんあります。

 

  1. アリチアミンはビタミンB1に比べ、糖、タンパク、脂肪に対して溶けやすく吸収作用もよいので高効率の代謝作用が行える。
  2. ビタミンB1の対外排泄や腸内菌からの分解作用を防ぐので、体内備蓄が可能になりビタミンB1単独の場合よりも安定して代謝が行える。
  3. 細胞を活性化することで、代謝回路の中で合成・分解・排泄といった治療と総合力アップにつながる生化学反応を活発にする。
  4. 新陳代謝を盛んにして自然治癒力を高める。
  5. 人体の自動調整機能(恒常性)にかわって、総合的な健康管理と調整を促進する。

 

ニンニクがいったん体内に入ってから、変化していく過程は驚きでしかありません。

 

ニンニクに含まれるアリシンの効果効能

「痛みがとれた」

「腫れがひいた」

「カラダのダルさがなくなった」

「咳がとまった」

「カラダが軽くなった」

「カラダが温かくなった」

「眠れるようになった」

「食欲がでた」

「イライラしなくなった」

「頭がスッキリした」

「肌がきれいになった」

「息切れしなくなった」

「血圧が下がった」

「血糖値が下がった」

「集中力がでた」

 

などなど・・・

 

ニンニクを継続して摂取したことによる「喜びの声」はたくさん聞きます。

 

この効果効能をアリシンの作用・反応の面からみると次のようになります。

 

・抗菌 ・抗バクテリア ・刺激 ・消化 ・整腸 ・解毒 ・分解 ・消炎 ・鎮静 ・血管拡張 ・抗酸化 ・抗血栓 ・増血 ・保温 ・若返り ・老化防止 ・内分泌促進 ・恒常性への働きかけ   ・・・など。

 

これらの作用の中のいずれかが働いて効果をあらわすことになります。

 

ニンニクの効果効能のひとつ「強壮」「媚薬」的なモノも、実はビタミンB1と結びついてできたアリチアミンが副交感神経を刺激してアセチルコリンの働きを活発にし、性腺ホルモンの分泌を促すからです。もとはといえばニンニクのアリシンがトリガーなのです。

 

太古の昔からニンニクの効果効能はわかっていたのですが、化学的に解明されたのは最近のことです。成人病の治療や予防、また現代病といわれるストレスやホルモン分泌、恒常性の維持といった人体の調整機能などにも効果があることがわかってきました。特に治癒に手間取るアトピー性皮膚炎の改善には期待がもたれています。

 

ニンニクのアリシンの可能性

細菌になって脂質と結びつく性質をもつアリシンが抗血栓作用をしめすことから、血管内の血栓形成の予防と、その改善効果が注目されています。その理由は、抗血栓作用は、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化などの循環器系障害、心臓病などの予防につながるからです。

 

ニンニクの生体恒常性(ホメオスタシス)への働きかけとは、人体のあらゆる臓器や神経、筋肉の働きをコントロールする、いわばサーモスタット的な作用で、他の食材にはほとんどみられない作用です。

 

このアリシンは、ニンニク肉質の中で構成比率わずか0.1%といわれている物質ですが、アリシンのほかにもニンニクの成分には微量物質が多く含まれています。

 

なかでも制癌作用が強いゲルマニウムは朝鮮人参の約3倍もあり、有名なサルノコシカケに次ぐほどの含有量があります。

 

結論として、アリシンはガン抑止作用に加えて、発ガンに至らないような体質、体力をつくることに役立ち、カラダ全体に働きかける総合性を有していることになります。

おすすめの記事